ギャベ  Gabbeh

監督: モフセン・マフマルバフ    (監督オフィシャルサイトへ

      1996年 カラー・ヴィスタ・73分

出演: シャガイエグ・ジョタト、アッバス・サヤヒ

1996年 カンヌ映画祭正式出品

1996年 東京映画祭最優秀芸術貢献賞

世界50ヶ所以上の映画祭の出品

 

 

イランの遊牧民の女たちが織る素朴な絨毯「ギャベ」。この映画は一枚のギャベに一人の娘の恋を託して描いた美しい幻想譚。世界を色彩として捉え、詩情みなぎるファンタジックな野心作。

 

解説

イランの遊牧民の女たちが織る素朴な絨毯「ギャベ」はその愛らしい風合いに日本でもファンが多い。この映画は、一枚のギャベに一人の娘の恋を託して描いた美しい幻想譚。糸の染色から丹念に映し出される織物作り、そして色鮮やかな民族衣装。世界を色彩として捉え、詩情みなぎるファンタジックな野心作。

 

マフマルバフ監督は現在のイラン社会が色彩を失っているという。街のトーンも身につけるものも、すべて黒ばかりで色彩が死んでいると。『ギャベ』はその失われてしまった「色彩」の復権をもくろんだ野心的なファンタジーである。基本色は「赤」「青」「黄」。赤は愛を表し、空と海の色である青は崇高さを表す。そして太陽と麦畑の色である黄色は幸福を表す。マフマルバフはこのような配色で、人工の色を廃し自然の色彩のみを使ってこの映画を作った。それはまさに素朴な絨毯が織り成すプリミティブ・アートの世界。マフマルバフが描く色彩の祭典に酔いしれる傑作である。

 

あらすじ

大切な絨毯(ギャベ)を洗う老夫婦の前に、美しい若い娘が現れる。彼女はギャベと名乗る。老婆に問われるままにギャベは自分の身の上を語りだす。遊牧民の一家に生まれた彼女は羊を飼い絨毯を織る。そしてある日、狼の声を持つ男に恋に落ちる。父親はよそ者との恋愛を許さない。娘の一途な思いを感じ取った父親は、恋の熱が冷めるよう時間を稼ぐ。病気のおばあさんが町の病院に入るまで待て。独身の伯父さんが結婚するのが先だ。お前の母親が妊娠した。子供が生まれるまで待て。おばあさんは亡くなり、伯父さんは結婚し、そして妹が生まれた。それでも父親は結婚を許さない。そしてギャベには逃げ出す勇気がない。後を追ってきた男はついに・・・。

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