アリラン  Arirang

監督: 兪賢穆 (ユ・ヒョンモク) 

           1968年 カラー・シネスコ・92分

 

出演: 朴魯植(パク・ノシク) 

          鴻世美(ホン・セミ)

          南宮遠(ナムグン・ウォン)

 

 

<日帝時代の朝鮮人の苦悩と闘いを描いた名作を、失われた羅雲奎(ナ・ウンギュ)のオリジナル版に忠実に再映画化。「アリラン」のメロディが心に残る感動作。>

 

解説

1926年、朝鮮全土で上映され、3・1独立運動の挫折で虚脱状態にあった時代の雰囲気を感動の嵐の渦で一新した伝説の無声映画『アリラン』。

若干24歳でそのシナリオを書き、監督・主演をこなした羅雲奎(ナ・ウンギュ)は天才的な映画作家としてのみならず、満州における独立運動家として2年間の獄苦の後、映画と民族に情熱を傾け35歳で燃え尽きたその短い生涯ゆえに世界の映画史上に神話を残した。

朝鮮戦争当時焼失した幻の名作『アリラン』は、その名声故に時代を移して何度かリメイクされた。その中で原作精神に最も忠実に製作されたのが、この兪賢穆監督の1968年度版『アリラン』である。当時の風景や人物を再現し、先祖代々住み慣れた村を離れて異国へ旅立つ民族の悲哀を語る『アリラン』は、60年代のリアリズム映画を代表する監督としての真骨頂を見せている。

羅雲奎のオリジナル版に合わせて観客が大合唱したと伝えられる「アリラン」のメロディは、この作品でも全編に流れ、民族の歌として時を超えて今も歌い継がれている。

 

あらすじ

日程時代の朝鮮のとある農村にヨンジンという狂人がいた。日帝と地主の抑圧に苦しみ村を離れて満州に旅立つ村人たちを、ヨンジンは必死に引き留めていた。

ある日、ヨンジンの親友・ヒョングが村に里帰りし、折りしも村人を徴用して突貫工事が進められている鉄橋は、日帝の中国侵略のためであると説得してまわる。しかし、官憲に捕らえられた彼は、凶作に苦しむ農民への援助を交換条件に工事への協力を約束してしまうのだった。

鉄橋完成祝賀会の夜、その交換条件が嘘であることを知り、怒りと自己嫌悪の虜となったヒョングは鉄橋爆破を決意する。その計画を知ったオ・ギホは自らの出世のためそれを利用する。また、かねてから思いを寄せていたヨンジンの妹・ヨンフィを我が物に使用と企むが…。

オ・ギホの手からヨンフィを救い、負傷したヒョングに代わってヨンジンが鉄橋を爆破した。官憲に捕らえられ、手錠をかけられたまま村を去ってゆくヨンジンは正気を取り戻していた。

アリラン、アーリラン、アーラーリーヨ…のメロディが心に刻まれてゆく。

 

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